歯科医師 過去8年間の平均年収の推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、平成27年の歯科医師の平均月収は52万円、平均年収は653万円、推定時給は2,920円となっています。
資格別 年収ランキングによると、歯科医師の平均年収は7位ですが、時給ベース(平均時給)に換算すると3位となっています。
歯科医師は時間当たりに稼ぐ金額が高い傾向にあり、医師、弁護士に次ぐ高さとなっています。
現在、歯科医師業界は歯科医師数の増加が問題になっています。平成26年現在の日本の歯科医師数は103,972人となっており、増加率は近年やや落ち着いたものの、依然として増え続けています。
一般的に賃金というのは需要と供給から生み出されるもので、供給が多くなるほどその職業の希少性は薄れ、収入は減少する傾向にあります。
こうした現象を踏まえ、国としては2004年から歯科医師国家試験の難易度の引き上げを行い、歯科医師の過剰を抑える方向で動いています。
上記のとおり、歯科医師の供給が増え、業界の将来を不安視する声が増えています。しかし、供給が多い事は事実ですので、問題はこうした状況をいかに解決するかといったことが重要になります。
つまり、増え続ける歯科医師が今後生き残るには、供給に応じた潜在的な需要を創出する必要が出てきます。以下はそうした潜在的な需要に対する議論の一例です。
1.未然に虫歯を防ぐという予防歯科の需要
2.要介護高齢者(約700万人近い)宅に出向く訪問歯科の需要。
3.歯周病菌が及ぼす影響(糖尿病や心臓病など)による顧客の潜在的な需要。
もちろん、上記に対する様々な意見はあると思いますし、全てがビジネスチャンスに繋がるとも限りません。しかし、重要なのはいかに問題を解決するかといった点です。こうした議論が活発に行われることが必要ですし、そこから新たな解決策が生まれるかもしれません。
通常の開業医(医者の場合)は当初、病院の研修医となり、勤務経験を積み、独立開業の道を歩みますが、大病院が少ない歯科業界では、その後の就職先がないため、いきなり開業の道を選ばざるを得ません。
開業するということは、当然、ビジネスですので経営能力がなければうまくゆきません。一昔前の歯科医師が少なかった頃は、こうした能力がなくても十分にやっていけましたが、医師数が極端に増えた今では状況が異なります。
相対的な歯科医収入が減少している理由は、経営能力の乏しい新米歯科医が綿密なマーケット調査も行わず、次々に地代の高い都心へ開業している点にあると思われます。
しかしながら、医師数が極端に増えたことは、ピンチでもありチャンスでもあります。なぜならば、多くの医院が経営に関して素人です。ですから、少しでも経営に強ければ、頭一つ抜け出すことができるのです。
特に、今は口コミの波及性が高い時代です。患者はより良い医院を選びたいと思っていますので、評判や口コミといった情報を強く信頼する傾向にあります。つまり、高い経営能力を発揮し、精神誠意のサービスを行えば評判は必ず広がり、売上や収入の向上にも繋がります。
これからは、歯科医(開業医も同様)=サービスという発想でなければうまくいかない時代でしょう。従来のプル型(待ちの)経営ではなく、潜在的な需要に応える攻めの経営が不可欠であると言えます。
順位 | 資格名 | 平均年収 | 増減 |
1 | 医師 | 1,098万円 | |
2 | 弁護士 | 1,094万円 | |
3 | 公認会計士 | 717万円 | |
4 | 税理士 | 717万円 | |
5 | 不動産鑑定士 | 711万円 |
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