弁護士 過去8年間の平均年収の推移
弁護士とは弁護士法に定める弁護士の資格を有する者で、民事、刑事、企業法務、臨床法務、予防法務、戦略法務など法律全般における専門家のことです。
厚生労働省の調査によると平成27年の弁護士の平均月収は82万円、そこから推定される平均年収は1,094万円(ボーナス込)、平均時給は4,644円でした。
資格別の年収ランキングでは医師に次ぐ2位にランクインしています。弁護士の過去の推移を見ますと過去3年間は年収1,000万円前半あたりを推移しています。
弁護士の年収は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに算出していますが、調査の母体数が少ないために、年によりバラつきが見られます。あくまで参考程度にご覧ください。
司法制度改革に伴う弁護士の大幅増により、弁護士を取り巻く環境はここ数年で大きく変化しています。そこで以下では弁護士の現状を様々な角度から捉え、今後の弁護士業界はどのようになっていくのかをまとめました。
1.弁護士の数が急激に増えるため、それに伴い新人弁護士の就職難、食べていけない弁護士の数が増える。
2.業界がすでに成熟期にあり、今後市場規模が鈍化する。
3.弁理士、司法書士等の隣接士業の職域拡大により弁護士の職域が縮小し、従来の弁護士ニーズが減少する
4.日本経済の縮小、企業間の競争激化、グローバル化を背景に、企業の大型倒産やM&A業務など従来とは異なる新たな弁護士ニーズが増えてくる。
5.慢性的な低賃金化、雇用環境の悪化を背景に、消費者金融等での多重債務者が増え、それに伴い多重債務関連の弁護士の需要が増える。
6.競争原理が働きサービスの向上を追求した結果、一般市民(消費者)の弁護士に対する潜在的意識がより身近なものとなり、従来の想定していた需要を上回る結果となる。
7.米国や英国のように弁護士事務所の大規模化、ブティック化(弁護士業務の中でもある特定の分野に特化した事務所)が進み、経験曲線効果により業務の効率化が進む。
今後、上記以外にも様々な可能性が考えられますが、いずれにせよ明白なことは、司法制度改革に伴う弁護士の大幅増により資格さえ取れれば安泰という時代は過ぎ去りました。従来の弁護士の方にとってはあまり歓迎されるべきものではないですね。
しかし、供給が増加するということは必ず競争原理が働き、競争原理が働くことによって様々なアイディアやサービスが生まれ、また従来の業務もより良いものへと改善されていきます。結果的に、今まで遠かった弁護士の存在がより市民(一般消費者及び企業)に近いものになり、より多くの市民の役に立つ可能性も秘めています。
また、そうした過程を経て、新たな市場が開拓される可能性も秘めています。現在、弁護士業界は変革の時を迎えています。一見、弁護士の数が増えればライバルが増えるといった負の発想をしがちですが、変革の過程の中で、質の高い新たなサービスが生み出される多くの可能性を秘めた時代とも言えるでしょう。
順位 | 資格名 | 平均年収 | 増減 |
1 | 医師 | 1,098万円 | |
2 | 弁護士 | 1,094万円 | |
3 | 公認会計士 | 717万円 | |
4 | 税理士 | 717万円 | |
5 | 不動産鑑定士 | 711万円 |
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